2015年7月 のアーカイブ

サムライ ジャック

2015年7月20日 月曜日

皆さんはサムライ ジャックをご存知だろうか。カートゥーンネットワークを視聴されているお宅なら、白装束に刀を振り回すジャックの雄姿を目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれない。

今回UO米公式に掲載されたライブ・フィクション“勇の遺せしもの”に登場する木村勇は勝手ながら私の中ではこんなイメージ。トクノ・アイランドは日本であって、日本でなく、ウルティマ・シリーズやUOにはありがちなことだが、今回のフィクションでも一応の時代設定はあるものの、矛盾を指摘し始めたらきりがない。それを言ってしまったら、すでにライブ第一回目の“ドラゴンの眼のサファイア”の回から壮大なるほころびがあるのだが、ここではあえて、そんなことはウルティマ・シリーズの流れを組むUOの雄大な歴史を楽しむ上では些細なことだと言い切ってしまおう。

無論、書き手であるEM Malachiや運営スタッフが日本やウルティマ・シリーズ双方における文化や時代考証をないがしろにするはずはないし、興味深いことに今回のフィクションの原文を見れば、弁才船、艀船、大太刀、イクチ、船幽霊といった言葉は翻訳されたわけではなく、原文中にそのまま存在していたことがわかる。我々がアーサー王物語のような西洋の騎士道物語を書くことを想像してみれば、それがいかに困難な仕事であったかは容易に理解できるはずだ。木村勇といういかにも凡庸なサムライにふさわしい名前も、はたしてEM Malachiは何の考えもなく付けただろうか?日本人の監修を受けていたとして、一体彼は何度推敲を重ねただろうか?

個人的には今回の回はUOの運営スタッフから日本人プレーヤーに対するサービス回だと思っている。サムライ ジャックにしても、トクノ・アイランドにしても、厳密には舞台は日本ではないのだが、EM Malachiの文章からは、日本と日本人プレーヤーに対するリスペクトを感じるし、彼の考える日本、彼の考えるサムライのイメージが生き生きと表現されていて、私自身はこのフィクションが大好きだ。

受け取り方、感じ方は人それぞれだろう。ディテールに拘ることを悪いことだとは思わないし、きっと私のようにこのフィクションを楽しんだ日本人プレーヤーもいたに違いない。ただ、そのような好意的な意見は得てして埋もれがちで、EM Malachiには届いていないだろうことが残念だ。