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Eight Virtues in a Duffel Bag-リチャード・ギャリオット インタビュー_2

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Eight Virtues in a Duffel Bag-リチャード・ギャリオット インタビュ-タイトル文字

クリスピーゲーマー:ひとつ、私が気付いたことは、基本的にアバタールがブリタニアにおける問題を引き起こしているということです。振り返って見ると、すべての出来事がつながっています。これは意図したものでしたか?

ギャリオット:これは絶対的に意図したものではなかった。ウルティマのストーリーについて分析してみよう。ウルティマVIIは初めての意義のあるストーリーで、プレーヤーがほかのゲームで何をして来たかということと、プレーヤーがほとんどの"RPG"ゲームでいまだに何をやり続けているかということの気付きの副産物だったんだ。彼らは略奪し、盗み、ゲームの終わりで彼らを待ち受ける悪いやつをたたきのめすために、より強くなる道を手探りで進んでいる。実際その悪いやつがゲーム中で何かをしでかすわけじゃなくて、ほとんどのプレーヤーは一日がかりの冒険で道徳的にせいぜいあやふやであるくらいだ(あるいはかなりの悪人になるか)。
だからウルティマIVで僕はプレーヤーたちのふるまいを観察したいと思っていることに気付いたんだ。そして彼らが偉大なヒーローになれることがわかっていれば、それになるべくふるまうかどうかということを確認したかった。そしてこれがゲームのなかでこの種の試みがなされた最初のことで、それはまだ当時としてはとてもめずらしいことだった。僕はウルティマIVが成功したのはそのためだと思う。
それ以降僕はもっと巧みなストーリーを展開することを試みた。ウルティマIVまではストーリーはとてもシンプルだった。そこにはいいやつと悪いやつがいて、いいやつは自分自身をそのように演出したし、悪いやつは悪をたくらむからこそ、彼らが悪人であることはとても明白だった。そしてプレーヤーが歩調を合わせて行儀良くしている限り、ゲームに勝つことができた。
ウルティマVで、僕はストーリーのなかで語り始めた。例えば世の中は白黒はっきりつけられるものじゃない。世の中にいいやつはいるが、必ずしもそのように見えない場合もある。一見いいやつに見える悪いやつもいるといったようなことだ。僕はこういったストーリーを、プレーヤーにとってもっと巧妙な形で伝え始めた。僕が現在の重要な社会問題と思うものが、しばしば何層にも重ねられたり、隠された解釈として挿入された。それはほとんどのプレーヤーには明白ではなかったと思うが、僕にははっきり見えていた。ウルティマIVが公正に白黒をつけるのに対し、ウルティマVIでは僕はほかの仕組みを導入したかった。とりわけその時点では、まだ僕のなかで具体化できなかったもの―プレーヤーが徳を信奉する何らかの方法だ。
君も気付いているように、一般的にファンタジーゲームはその時代にあって、宗教信者たちの批判の的だった。たくさんのテレビゲーマーたちが、様々なものに捕らわれて極めて困難な状況に陥っていた。だから僕はそれをゲームのなかで再現することにしたんだ。
ウルティマVIで僕は一歩すすんで、人々が実際以上によくないとか邪悪だとか思っている事柄がたくさんあるということを伝えた。それが僕がガーゴイル種族、文化、宗教、および派閥を創設した理由だ。現在に再現されていることで言えば、アメリカの帝国主義や、世界警察としてもふるまいは、ほかの国の人々からすれば本当によくないか、邪悪にしか見えないだろう。だけど僕は人々の解釈にはまったく根拠がないと思う。だから僕はこのようなことを語りかけるストーリーを創作しようとしたんだ。
ゲームで僕は社会問題について直接語ることはしなかったが、ゲームは様々な社会問題を反映していた。それこそが僕がウルティマVIを起点として、ウルティマ・シリーズでやろうとしたことなんだ。

クリスピーゲーマー:ウルティマVIIはアバタールにとって最初であり、最期だということですか?あなたはその時点でもう十分であると考えていましたか?

ギャリオット:僕がウルティマVIIでやろうとしたことは、ひとつのゲームを超越するくらいに暗く、大きなものを導入することだった。それはウルティマVII、VIII、IXで僕が物語を紡ぎ続けることが可能なくらい大きなテーマでなくてはならなかった。だからそれはアバタールがフレーと叫んで終わりと言うわけではない。これはゲームの完結が持ち越される初めてのことだったし、アバタールとガーディアンの間の揉め事も、その後いくつかのゲームでしばらくの間は解決されない必要があった。

クリスピーゲーマー:私はウルティマVIIの、気のふれた子どもたちでいっぱいの部屋についてあなたに訊ねなくてはなりません…。

ギャリオット:ああ、そうだね、"キリング・チルドレン(殺人する子どもたち)"でいっぱいの部屋についてだね。そこにはひとつの歴史があるんだ。君が知らないとすればきっと興味を持つ。キリング・チルドレンの部屋はウルティマIV以来、タブラ・ラサも含む僕のすべてのゲームのなかで何らかの形で見られるものだ。ウルティマIVで、僕はゲームのなかに、君の行いが良いか、悪いかといったちょっとしたテストを組み込むことにした。君はこのテストが行われていることを知らないし、君に予備知識がないままそれは行われる。そして君が僕が言っていることが理解できるなら、そうすることがこれが有効なテストであるための、唯一の方法だということがわかるだろう。基本的にプレーヤーはそのほとんどを解明した。例えば物乞いに小銭を与えれば、彼らは毎回慈悲の徳を少しずつ上げることができることに気付いた。そして物を盗めばそれは誠実の徳を減らすということにたちまち気付いた。もしくは戦いから逃げば名誉の徳が減ってしまう。

クリスピーゲーマー:そうです、僕は戦闘だとか、名誉が苦手だった…。

ギャリオット:だからプレーヤーは疑心暗鬼になる。もし彼らがこの状況が徳のテストだと思ったら、念のため正しくふるまいたいと願うだろう。だからそこには僕が技術的には実際のテストを行うことができなくても、それらしく見せかけようとした場所がたくさんあるんだ。
その好例として、ダンジョンのなかの部屋を作るとしよう。ウルティマIVがそうやって出来ているように、そこには3Dのダンジョンがあって中に入ると下降型に2Dの16x16タイルの部屋がある。そしてもし君がダンジョンを作るなら、それは洞穴で、オークの集落かもしれない。であればそれぞれの部屋は小さなオークのねぐらとかそういったものでいっぱいかも知れない。しばらくして君はこう考えるだろう。「よし、僕はオークのねぐらを100作った。違ったオークのねぐらを作るためにはどうしたらいいだろう?」そして君は独房と看守部屋のついた監獄を作るだろう。君はそれぞれの部屋に独自のテーマを持たせようとするだろう。
だから僕はウルティマIVの最終ダンジョンで、君がアバタールと呼ばれるにふさわしい成長を遂げる最後の旅のために、とりわけ巧妙な仕掛けを考えていた。そして僕が作ったのが真ん中にレバーが設置された、四隅に子どもたちでいっぱいの檻を設けた部屋だ。君はレバーを倒すことでケージを開けることができる。けれど、実際には子どもたちはモンスターで君に襲いかかってくる。これはきっとプレーヤーたちを悩ませることだろう。なぜなら彼らがレバーを見たなら、きっとこう思うからだ。「おっと、僕は今何をすべきなのかな?僕はグッド・ガイ(いい人)なんだから、子どもたちを解放してやらなくてはならない。」そして実際にレバーを倒すと子どもたちが彼らに襲いかかってくる。そして僕はこう思うんだ。「さて、プレーヤーたちは今どうしていいかわからないだろうな。なぜなら彼らは自分たちの行いが徳を下げることを恐れているからだ。」そして実際には僕はこの部屋でテストは行っていなかったけれど、この部屋が人々を悩ませることはわかっていた。こうして僕は満足してほかの部屋作りに取りかかったのさ。
ウルティマIVのテスト期間最後の月に、僕の兄がQAスタッフが書いた手紙を持ってきたよ。そこには例の部屋を引き合いに出して、「私は児童虐待を明白に助長するような会社で働きたくはありません。」といった主旨のことが書かれていた。そして兄は僕に言ったよ、「リチャード、お前がゲームに入れたものは何にせよ恐ろしい。おまえはそれをゲームから削除すべきだ。」とね。
僕は兄に向き直ると言った。「ロバート、わかってないね。この人がここまで感情を動かされたってことはいいことなのさ。」
話はそれるがこの男も完全に解釈を誤ってるんだ。なぜなら子どもたちを殺す必要なんてないんだからね。部屋をリロードしてレバーを引かないようにする、子どもたちを眠らせて部屋から退出する、子どもたちを魅了して立ち去らせる、子どもたちへの攻撃はあらかじめ武器をはずしておき、彼らのHPが4分の1以下になって自ら立ち去るのを待つ、呪文を使って追い払う。子どもたちを傷つけない方法はいくらでもある。大事なのは僕がこういった感情を喚起したってことで、これをゲームでやるのはとても難しいんだ。だから僕はそれを成し遂げたことを誇りに思っている。
僕の兄はまるで「リチャード、そんなことはどうでもいいからさっさと削除するんだ。でないと僕はこれを発表しないそ。」と言わんばかりだった。そして僕は「ふむ、僕はゲームからそれを削除するつもりはないから、残念だけどそれを発表しないことは僕たちのビジネスにとって幸運なことかも知れないね。」って調子だった。
兄は業を煮やして父を、母を、そして僕を説得できるあらゆる人たちを巻き込んで、どうにかそれをゲームから削除させようとした。結局それはそのまま出荷されて、誰も気にも止めなかった。
それ以来、僕はその出来事に敬意を表して、キリング・チルドレンでいっぱいの部屋を僕が作るすべてのゲームに加えたんだよ。

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