MMORPG ウルティマ・オンライン - Ultima Online の知られざる歴史、海外EMシャードイベント情報

The Conquest of Origin_4

The Conquest of Origin-タイトル文字

しかし、EAは毎年数百万単位のスポーツゲームやライセンスゲームを、続編をリリースすることで売り上げることに慣れきっていた。執行部が許可したのはウィング・コマンダー・オンライン、プライヴェティア・オンライン(1993年リリースのスペース・シムがベース)、ライセンスもののハリー・ポッター・オンライン、そしてウルティマ・オンライン2(マーケティング部はウルティマ・ワールド・オンライン:オリジンと改名)だった。
UOと競合するUO2をやることについてはスタッフの間で議論になったが、マトリックは1999年にゴーサインを出し、ウィング・コマンダー・オンラインをキャンセルし、同チームをそのままUO2開発チームに充てた。宇宙船が好きな男たちが、どうしておめおめとモンスターアニメを作るだろうか?彼らは6か月後に退職し、UO2はやり直しとなった。そして二度とこのゲームが復活することはなかった。
2001年3月、マトリックはUO2をキャンセルした。オリジナルUOと競合するから、というのがその理由であった。EAはその後も2002年に開発スタートしたウルティマX:オディッセイを2004年にキャンセルし、同じことを繰り返した。

プライヴェティア・オンライン:EAの最も大きな賭け、アース・アンド・ビヨンドとの競合を避けるため、2000年にキャンセル。プライヴェティア・オンラインのコアメンバーらはヴェラント社(後のソニー・オンライン・エンタテインメント)に移籍し、スター・ウォーズ・ギャラクシーを作った。
ハリー・ポッター・オンライン:2001年にオリジン社でキャンセルされ、EAスタジオでホグワーツ・オンラインとしてやり直しが図られるが、2005年にキャンセル。
その後もトランスランド(シューレアリスト・ゲーム)、シルバー・ハート(英SF作家、マイケル・ムーアコック監修)、ファイアー・ハウス(香港スター、ジョン・ウー風のフルモーションビデオゲーム)など、キャンセルに次ぐ、キャンセルが相次いだ。
「ビジネス局面は常に急激に変化していて、オリジンのような独立系開発出版社の手に負えなかった。」スペクターは語る。「僕らは映画のようなバクチ的なビジネスのひとつになってしまったんだ。オリジンがヒット作を生むと、EAはさらに数を打つための…膨大な予算をよこした。その殆どはつぶされた僕のプロジェクトになった。僕は嬉しくなんかなかった。彼らは一体何をして来た?リチャード・ギャリオットのプロジェクトをつぶして、クリス・ロバーツのプロジェクトをつぶして?」
スペクターのゲーム(ウルティマVIIパート2:サーペンツ島、ウルティマ・アンダーワールド、システム・ショック他)は一貫して小さなスタジオが妥当であると思える程度の収益をもたらしてきた。しかし、10億ドル規模の会社の経済事情はこれとは異なる。EAにとってはひとつひとつのプロジェクトすべてが頂点を極めてこそ意味がある。停止されたゲームやキャンセルされたゲームにかかる税金は免除となり、まれに見るヒットがすべての費用をまかなう。最悪なのは、株主資本に対して微々たる利益しかもたらさず、しかるべき節税効果も持たない、中途半端な成功である。
スペクターは言う。「マトリックは僕にリチャードやクリスのようなゲームを作るように言った。毎年わずかな金を稼ぐ、小さな手堅いゲームを作り続けるかわりに、1t(トン)を生み出すために1t(トン)を費やして、メガヒットに結びつくような思い切ったことをやれと。その時は彼のことを狂ってると思った。好き嫌いは別として、彼が正しくて、僕が間違っていると僕が思えるようになるのに、それから数年かかった。」
EAの成功の原動力となり、オリジン社を買収するだけの資金力をもたらしたものこそ―絶え間ないマーケティング、メガヒットの探求、幹部らの熾烈な内紛ですら、EAのオリジン社の効果的利用を困難にした。EAはオリジンを新しいアイディアを内包する、小さなデザインスタジオとして残すことも可能だったはずだ。スタッフをばらばらにし、価値あるウルティマやウィング・コマンダーブランドを切り捨てるよりも、EAの母体と精神を生かしておくべきだった。その他あまたの買収したスタジオ、ウェストウッド、ブルフロッグ、マクシスを温存したように…。
技術的には可能なことでも、それは想像しにくかったようだ。多くの大手企業がそうであるように、EAもまたリスクを嫌った。安全を期して、より競争力のあるマッデン2009やタイガー・ウッズ2017などの仕事をすることに意義を見出していた。
2005年8月8日のニューヨーク・タイムズのEAについての記事、"Relying on Video Game Sequels"(ビデオゲーム続編依存)にはこうある。「EAは2005年に26タイトルのゲームをリリースする計画だが、ひとつを除いてすべて続編である。これらはNHLホッケー(16回目)、レーシングゲームNFS(11回目)、ゴルフツアーゲームPGA(13回目)を含む。」この記事のなかで、プロストCEOは、既に固定客を持つ続編は、ウォール街の投資家たちに受け入れられやすいと述べている。「彼は会社の到達点として、毎年まったく新しいゲームを最低ひとつリリースし、いくつかのメジャーなゲームをパイプラインとして持つこと、を付け加えている。」ブロガーのビル・ハリスはこう言っている。「毎年ひとつの新しいゲームをリリースするだって?くそったれラリー、馬鹿言ってんじゃない、身の程を知れ。」
ビーマン曰く、「あなたはEAとオリジンの結婚は、それぞれの持つ力の融合だと思いたいかも知れない。しかし、オリジンの創造性にEAの実行力が加わることはなく、結果はオリジンの実行力にEAの創造性が加わったようなものだった。EAはオリジンのプロジェクトの選択肢を、続編や既に確立されたアイディアに限定したうえで、オリジンに自由にやっていいよ、と言ったんだ。僕は、この出来事が、この産業にこの種のミーム(遺伝子)をもたらした最初だと思うし、僕らは現在もそれを明確に見ることができる。」

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